フィラメント ドライ ボックスを自作する

最近3Dプリンタをリプレースした。

これまで3DプリンタではPLAしか利用していなかったが、リプレースを機に色々なフィラメントを使ってみたく、その保管方法について調べていたところ、台所用品の乾物入れをベースにフィラメントドライボックスを自作されてSTLデータを公開されている方がおられた。

A1 mini の造形範囲より大きなサイズのパーツがあり、そのままでは印刷できず、また、個人的に電池なしのアナログ湿度計を使いたかったので、各パーツの形状・サイズを参考に新たにパーツを設計して、ドライボックスを自作してみた。データはMaker World サイトで公開中。

こちらは追加用のシリカゲル入れケース。 - makerworld.com

利用パーツ

ドライボックス本体となる乾物ストッカー、湿度計、ドライボックスからフィラメントを送るためのチューブとその継手、フィラメントを軽く回すためのベアリングはamazonで入手した。継手とベアリングがドライボックス4個分だったので、乾物ストッカーと湿度計も4つ入手し、4このドライボックスを作成した。

二重底になっており、もともと底面にシリカゲルが入れられるようになっており、底面も取り外しができる。

電池不要のアナログ湿度計。「湿度計 T-3 丸型 6.5㎝ - シンワ測定株式会社」の取扱説明書には、使用期間:3年の記載あり。裏面に利用開始日を記載しておく。

フィラメントが乗るローラー内に組み込むベアリング。動きを良くするためにパーツクリーナで脱脂した。

チューブは50cmでカットした。チューブが貫通するのはM10の継手。M6は貫通しないので、フィラメント保管時のチューブ閉塞用に使う。

乾物ストッカーにもシリカゲルが添付されているが、別途購入。小分けされていないシリカゲルを入れるケースも自作した。

他に、ドライボックス1個あたり、M3 x12mmの小ねじ・ナットを8セットづつ使用した。

利用工具

合わせて下記も入手。

継手をストッカー側面に固定するためのパーツの加工用。継手は、M10(フィラメント通過可)、M6(通過不可)のねじが切ってある。

加工時のバリがすくない竹用ドリル。

オムニホイールを安価に作る(その5)

先日、自宅の3Dプリンタを「Bambu Lab A1 mini — 3Dプリンター サンステラ3Dモール」にリプレースした。 3Dプリンタ精度が大幅に上がったので、2020年にオムニホイールを自作したときのサイズ調整の苦労がいかほど楽になったか確認すべく、過去とと同様の手順で先日と同等のサイズ(直径50mm、18サブホイール)のダブルホイールで再作成してみた。ohguma.hatenablog.com

スケッチ

サブホイール1つ分の作図は、前回と似た感じに作る。

サグホイールの回転面方向のスケッチで、サブホイールが収まるスペースや、シャフトをはめ込む凹みを作る。

メインホイール部分は、Dカットシャフト用ハブとスプリングピン入シャフト(どちらも4mm想定)の両対応にしておく。 また強度を持たせるための壁を内部に作る。

メインホイール準備

ハブ取付用ネジ穴とシャフト用穴の抜いて押出。 個人的なこだわりで、なるべくスケッチは原点の3平面を基準にしたいので、押し出しの際は開始のオフセットや、方向で両方・対象などを多用している。

のっぺりとしたメインホイールだが、内部に空洞を作り、それ用の壁ができることで強度アップを狙う。

内側にスプリングピン入シャフト用の凹み作成。 外側にはシャフトのM3ネジを六角スペーサで締められるように穴拡大。

フィレット・面取りでメインホイールの仕上げ。

サブホイール用の凹み

メインホイールのブロックは非表示にする。 回転でサブホイールが収まる窪みに相当するブロックを作る。後でメインホイールと結合して切り取る。 回転でサブホイールを刺さるU字部分の内側をコマ状にブロック化。

上のブロックに、シャフトを押し込む際の溝となる部分の結合。

そのブロックを円形状パターンで配置。

上記配置を更にコピーし、裏表ひっくり返して、90度ひねり、サブホイールが交互に並ぶようにする。

メインホイールのブロックを表示し、上の切り取り用ブロックと結合して切り取る。

適当に角を面取りしてメインホイール完成。

サブホイール

1つのサブホイールを作成する。マテリアル変更はコピー前の現時点で作業しておくとよい。

円形状バターンで量産。

それを更にコピーで移動して90度ひねり、ダブルホイール分のサブホイール作成。

メインホイールを表示して完成。 サブホイールも作成しておけば、このオムニホイールの3Dデータを他のデータ内にコンポーネントとして取り込みができる。 編集履歴は前回より少し増えた。

オムニホイールを安価に作る(その4)

Fusionを使用した私なりの設計手順を紹介。

とりあえずオムニホイール直径を50mm、サブホイール用のグリップ剤には外径9mm、内径8mmの燃料ホースを3mm厚でカットして使用する場合、基本の配置は次のようになる。

サブホイールの断面形状をざっくり決める。カットした燃料ホースの内側に糸巻き状のサブホイールをいれる。細かい数値は適当に決めるが、迷うなら3Dプリント時のノズル径や積層ピッチの倍数にすればよいと思う。サブホイール用のシャフトは0.8mm径の紙クリップの直線部分で現時点での長さは適当。

外接ポリゴンの1辺がサブホイール用シャフト中央を通るように作図する。希望する角数に足りないと思われる場合は、サブホイール厚を薄く変更するなどする。

ポリゴン1辺と中心を繋ぐ直線を引き、サブホイール1つ分の形状を決めていく。

サブホイールが軽く回るよう、それを支えるアーム部分には適当に遊びを設ける。

適当に面取り、フィレットの追加。アームの根元部分はなるべく厚みが確保できるようポリゴン対角線からオフセット線を引く。

スケッチを終了して、押出。厚みは適当に決める。強度が足りなければ厚みを増やすか、出力時のインフィルを増やすなどで対応する。

サブホイール用シャフトの溝を切り取り。ここでは、メインホイールのボディを同一形状で作成して、2枚を向かい合わせ使う前提なので、溝の深さはシャフト径の半分程度にしているが、メインホイールを溝あり、溝なしの2種類で作成して溝を深くしたほうが、組み立ては楽になる。

メインホイールの外側部分にフィレットなど追加して、サブホール1個分のメインホイール形状を決定。

円形状パターン配置でメインホイール全体分の形状を作成。

個々のボディを結合して、1つのボディにする。

スケッチを追加し、ギヤモーターシャフトやハブ取付け用の穴位置を決定し、切り取り。

完成。同じものを2つ向かい合わせでハブに固定して使用する。

実際に3Dプリントしてホイールを作成して、問題があれば適宜寸法等調整する。このまでの編集履歴もそう多くないので手直しは難しくないと思う。

スプリングピンを使うシャフトのギヤモーター用のメインホイルを作る場合は、サブホイール固定用のネジ穴を追加し、スプリングピンの収まる溝を設けたものと、シャフト用の穴だけの2種類のボディを作成してセットで使用する。

オムニホイールを安価に作る(その3)

設計前に決めなければならないこと

  • どのようなギヤモーターを使うか。(ギヤ種類、出力軸形状) ※トルク・回転数についてはここでは無視する
  • Dカットシャフトの場合、どのようなハブ(シャフトとホイールを連結する金具)を使うか?
  • ホイール全体の直径は?(枝豆ホイールが直径46mm)
  • サブホイールの数、直径、厚み、グリップ素材は?
  • サブホイール用シャフトの直径、長さは?

ギヤモーター

一般的なDCブラシモーターの場合、ギヤ種類には大きく2つ。シャーシへの取付位置などに影響がある。

  • スパーギヤ : (特徴)安価
  • 遊星ギヤ :(特徴)高耐久、軸方向に長くなりがち

モーター出力軸形状は大きく2つ。

  • スプリングピン付きシャフト : メインホイール部分にスプリングピンが収まる凹部が必要
  • Dカットシャフト : シャフト取付け用の金具(ハブ)が必要

スプリングピン付きシャフトのギヤモーターで入手性が良いものはこのあたり。

ハブ

ハブ自身にホイールを固定するようのネジ穴があるタイプが利用しやすい。また、耐久性を考えると重いが鉄製が良いと思う。穴系はシャフト直径に合わせたものを使用する。

その1で紹介したものはこちら。 上は真鍮製(銅と亜鉛の合金)で重めで、モーターからホイールまでが長くなるが、外側からM4ネジ一本でホイールを固定できる。 下は鉄製。ホイール固定用の穴にネジが切ってなく、内側にナットが必要。

ホイール直径

モーターのスペック等からいろいろ計算することはこちらが詳しい。

適当なサイズが思いつかない場合は、とりあえず切りの良い数値(例:50mm、60mm等)で一度作ってみて色々試してみると良いと思う。

サブホイールの数、直径、厚み、 サブホイール用シャフトの直径、長さ

サブホイール直径とシャフト直径は扱う素材に合わせて決まるが、ほかは好みで決める。

ホイールが接する床面が真っ平らな板状ならサブホイール用素材表面の摩擦力が高いもののグリップ力が高いと想像できるが、絨毯のように柔軟な素材に接するのであれば、摩擦力だけでなく、オフロードバイクのタイヤのようなブロックの角で引っ掛けてグリップする戦略もありだと考える。 dunlop-motorcycletyres.com

その1で扱った燃料ホースは一般的なシリコンホースより表面のグリップは弱いが、素材そのものは固めなので、その角でのグリップを期待して設計してみる。

(続く)

オムニホイールを安価に作る(その2)

治具について

グリップ材となるホースや、サブホイール用のシャフトとなるゼムクリップをカットする際は、フリーハンドで作業せずに、サイズを揃えてカットできるよう、治具(ジグ。英語の「jig」の当て字だそうで)を準備してから作業をする。

ホースをカットする際には、次のような簡単な治具でも比較的サイズが揃いやかった。 ホースが変形しにくくなるように支えをつける。

ただ、この図のままの形状だと、カット後のホースが治具にハマった状態になる。 取り出す手間もあまりかけずに済むよう、押し出す穴を設けるなど工夫する。

外径8mm、内径5mmのホースを3mm厚でカットする例。

治具ができたら、実際にカットして、厚みや使い勝手を確認する。 意図する厚みにならない場合や、治具の寸法を調整して対応する。

ゼムクリップのカットについては片側を塞いた溝や、穴のある治具を用意して、面の平らなニッパーを治具に押し当てて使うことで、溝の長さや穴の深さに揃えてカットすれば良いと思う。 [

長さや厚みの確認にはノギスを使う。 デジタル式なら確認も楽にできるので、精度は低くいものでも1つあると便利。 www.monotaro.com

ハブ(追加)

最近見つけたハブとして利用できそうなパーツがこの「セットカラー 止めねじ固定 2ホール/4ホール/2タップ/4タップ タイプ」。

側面が穴でなくタップになっており、ホイールをネジで直接固定できナットが不要となる。

jp.misumi-ec.com

(続く)