オムニホイールの設計(その2)

最初のスケッチでは、オムニホイールの外形46mmとメインホイールの外形を記載する。
データ量削減などを期待し、3D出力するパーツで円は使わずポリゴンを使う。
メインホイールは半径21mm、16角。
(以後のポリゴンは説明ない場合は外接ポリゴンを使用)
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サイドホイール

次にサイドホイール用の新しいスケッチを作成。
利用する燃料ホースのサイズとシャフト用のクリップの線径はそのままのサイズで一旦データ化する。
シャフトを通す穴のサイズは実際に3D出力して調整する。
利用した燃料ホースは若干の柔軟性はあったので、両端に抜け止めを設けても装着に問題はなかった。
両端の抜け止めだけではホースがずれる場合、ホース内側部分を太くするなどして対策する。
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先のスケッチから回転でサイドホイール用の各パーツのボディを1セット作成する。
ここでは全て新規ボディとして作成、それぞれ適当に素材も設定した。
今後、複製して利用するため、管理しやすいようグループ登録しておく。
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サイドホイールの1つを選択し、円形状パターンでZ軸回りに8つに複写。
1列分のサイドホイールの配置完了。
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その8つのサイドホイールをコピー・ペーストして、
 ・上に10mm移動
 ・Z軸回りに22.5度回転
して2列めのサイドホイールの配置完了。複製したサイドホイールも適宜グループで管理する。
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メインホイール

一旦サイドホイールのボディは非表示にし、1枚目のスケッチから押出でメインホイールを作成。
メインホイールの厚みは、2列のサイドホイールのシャフト間隔10mm+両側に2mmの合計14mmとした。
下の画像での実際の処理は、下に押出2mm、上に押出12mm、面取り1mm。
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サイドホイール用の溝

最初のサイドホイールの赤道面にスケッチを追加。
このスケッチでメインホイールに作成するサイドホイール用溝を作成する。
サポート無しで3D出力できるように底面に平行な天井は作らないようにする。
サイドホイールのシャフト用溝もここで準備する。
シャフト用溝の幅は実際に出力して調整する。
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メインホイールのボディは非表示にする。
サイドホイール用の溝は、それ用のボディを作成し、後でメインホイールのボディから切り抜く。
まずは、溝の主要素となるボディを両側に押出で作成。
サイドホイール長の8mmに両側の隙間合計1mmを足した9mm幅とする。
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サイドホイールの両端が当たる部分のボディを結合。
溝の側面とサイドホイール両端の接触部分を減らす。
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サイドホイール用シャフトを収容する溝用のボディを結合。
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サイドホイール用の溝の調整

先の形状のまま円形状パターンで配置すると角が干渉するため、スケッチを追加し、押出の交差を利用して角を落とす。
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交差で処理した結果はこちら。
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さらに中央部分を面取りで調整。
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サイドホイール用溝の切り抜き

円形状パターンで1列分複製。
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それをサイドホイールと同様にコピーする。
サイドホイールと違って上下の形状が異るため、
 ・X軸で180度回転
 ・Z軸の上向きに10mm移動
 ・Z軸で22.5度回転
させる。
各ボディが接触していないことを確認する。
接触がある場合は、サイドホイール用溝のボディをさらに削る。
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メインホイールのボディを表示し、それを結合のターゲットボディとする。
サイドホイール用溝ボディをツールボディにして、切り取り。
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ここまででメインホイールが概ね完成。
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最終工程

ダイセンモーター用のスプリングピン用の溝を切り抜き。
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モーター軸用の穴を切り抜き。
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固定用ナットのスペースはテーパ角度をつけて切り抜き。
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完成

必要に応じて面取りなどを追加する。
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枝豆オムニと比較すると、厚みがあり、サイドホイールがメインホイールから飛び出している関係でそのまま置き換えできない場合は、メインホイールの底面側の厚みを増すなどの対応をすればよいと思う。

その他

燃料ホースやクリップを切断する際に、長さを揃える治具も設計しておく。
クリップは伸ばして真っ直ぐな部分のみを利用して、次のような治具に当ててニッパーで切断して長さを揃える。
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3D出力してサイズに問題がある箇所があれば、履歴で問題箇所のスケッチやフィーチャー編集で寸法を直す。
Fusion360は履歴をさかのぼって修正した場合、以後の履歴に修正内容が反映するので大変便利に作業できる。