アナログジャイロセンサーについて(その3)

ジャイロセンサーの測定値が取得できるようになったら、次はD/A変換モジュールを使い、取得した値を電圧で出力してみる。

ジャイロセンサで方位を測定 : はやねさん工房」でも使われている以下のD/A変換モジュールならググれば使い方がすぐ見つかる。
akizukidenshi.com


回路は先のArduino・ジャイロセンサ間のI2C接続を、D/A変換モジュールまで延ばす。
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スケッチもD/A変換モジュールが使えるよう修正する。

まずは、冒頭にI2Cが利用できるよう Wire.h を追記。
(改造中のサンプルスケッチには「Fastwire」クラスが含まれているが、動かすことを優先するため、ここでは無視して標準のWireライブラリを使う)

#include "Wire.h"

setup()内にも追記

    Wire.begin();

loop()内では、ジャイロセンサの測定値をD/A変換モジュールの入力値に変換し、I2Cでそれを送信する処理を追記する。

ジャイロセンサを水平に設置し、傾けて使うことがない場合、値が変わる(目に見えて大きく変わる)のはシリアルモニタで出力される「Y」の値(上下軸まわりの回転角:ヨー角 mympu.ypr[0])だけになる。
MCP4726を使う場合は、このヨー角(-180~180度)を12ビットの値(0~4095)に変換した値をI2C通信で送信する。
値の変換は、Arduino のスケッチではmap関数を使うと簡単に計算できる。

上記のリファレンスにもあるとおりmap関数は範囲外の値も切り捨てずに計算してしまうため、変換元の値が(-180~180の範囲外になる場合、戻り値が(0~4095)からはみ出る意図しない数値になることも考えられる(例:Y値が240の場合は6144)。念の為、変換後の値が(0~4095)からはみ出ないようにconstrain関数も使っておく。

    int val = constrain(map(mympu.ypr[0], -180, 180, 4095, 0), 0, 4095);

上記の計算結果は、ヨー角がそれぞれ(-90度、0度、90度)の場合、(3072、2048、1024)付近になり、またMCP4726の出力電圧は上の結線であれば、VREF=5Vなので(3.75V、2.5V、1.25V)付近になることが期待される。
(※map関数の第4,5引数を逆にするとvalの値も逆転する。)

変数valが計算できたら、それを送信する。
データの送信部分は「ジャイロセンサで方位を測定 : はやねさん工房」を真似る。

    Wire.beginTransmission(0x60);
    Wire.write((uint8_t) ((val >> 8) & 0x0F));   // MSB: (D11, D10, D9, D8) 
    Wire.write((uint8_t) (val));  // LSB: (D7, D6, D5, D4, D3, D2, D1, D0)
    Wire.endTransmission();

※上記にある演算子については、Arduino 日本語リファレンス の「ビット演算子」を参照のこと。

スケッチが完成したら、実際にテスターでD/A変換モジュールの出力電圧を測定し、角度に応じた電圧が出力されていることを確認する。

(つづく)